クラウドコンピューティングとは、インターネットを通してどこかの誰かのサーバを利用するサービス・仕組みのことです。
クラウドの利用により、自社でサーバーを所有する必要がなくなった点で、非常に迅速にソフトウェアやアプリケーションの利用ができるようになりました。
また、使用したデータ量などに応じた従量課金制もクラウドの特徴で、サービスの利用を小額から行えるということも利用が広がった背景としてあります。
クラウドコンピューティングは、1990年代後半にインターネットの急速な普及に伴い、仮想化技術が進化したことで基盤ができあがりました。2006年にAmazonが「Amazon Web Services(AWS)」を立ち上げクラウドサービスの提供を開始し、ビジネスとして成立することが実証されました。その後、GoogleやMicrosoft、IBMなどが続々とクラウドサービスに参入し、普及が進みました。
クラウドのメリットとして、複数のデータセンターを活用してバックアップを行う仕組みがあることが挙げられます。つまり、災害復旧とデータの安全性が担保できるということです。
一方で、データのセキュリティやプライバシーの問題、インターネット接続に依存するリスクなどの課題もあります。
クラウドには主に3つの種類があります:
- IaaS(Infrastructure as a Service): サーバーやネットワークなどのインフラをクラウド上で提供するサービスです。例として、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureがあります。
- PaaS(Platform as a Service): アプリケーションの開発や実行に必要なプラットフォームを提供します。開発者はインフラを気にせず、アプリの開発に集中できます。例としてGoogle App Engineが挙げられます。
- SaaS(Software as a Service): 完成したソフトウェアをインターネット経由で利用するサービスで、利用者はアプリケーションの設定や管理をせずにソフトを使うことができます。代表的なサービスはGoogle WorkspaceやMicrosoft 365です。
SCM構築に当たり、クラウドコンピューティングはコストの削減(自前のサーバーを持たずに済む)、スケーラビリティ(必要に応じて簡単にリソースを拡大・縮小できる)、事業継続計画(BCP: Business Continuity Plan)などの対応として多くの役割を担っています。
