サプライヤー開発

« Back to Glossary Index

サプライヤー開発(Supplier Development)とは、サプライヤーを見つけ出し、能力を向上させ、価格・品質・納期の水準を上げることにより、よりよい調達ができるようになることです。

例えば、トヨタは、サプライヤー工場にトヨタ生産方式(TPS)を導入する支援を行ってきました。TPSは、「ジャストインタイム(JIT)」と「自働化」を中心にした効率的な生産方式で、無駄を省きながら品質を高める手法です。トヨタは、自社だけでなくサプライヤーにもこれを導入することで、サプライヤーの生産効率や品質を大幅に向上させました。この取り組みによって、トヨタのサプライチェーン全体が強化され、安定した部品供給が可能になりました。

また、ユニクロは、世界各国の工場の品質管理体制を強化するため、独自の品質基準を設け、サプライヤーに対して定期的な監査と指導を行っています。具体的には、ユニクロの専門チームが直接サプライヤーの現場を訪問し、製造プロセスの改善や生産効率向上のためのアドバイスを提供しています。また、「ユニクロ・プロダクション・チーム(UPT)」と呼ばれる生産管理部隊が、サプライヤーと共に製造プロセスの効率化や品質向上を進め、工場の継続的な改善をサポートしています。

このように、サプライヤーに対して支援を行い、能力を向上させることは、中長期的には自社の強みや利益になって返ってきます。これは、経営方針として意識して行わないとできないことです。
サプライヤーを単なる仕入先と考え、短期的な価格や条件だけで選定し、取り引きしようとしていたら生まれてこない発想になります。
SCMでは、中長期的に継続可能で、全体の利益を最大化することを目指す取り組みですので、サプライヤーとの協力関係の構築と、継続的な能力向上は非常に重要な課題となります。

« Back to Glossary Index

投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: