貿易において、船で海上輸送する割合は99.7%にも及ぶといわれております。海上輸送では、コンテナという専用の巨大な入れ物の中に貨物を入れることで、船への積み込み・積み下ろしをスムーズにし、船上での揺れや雨風からのダメージを最小限にとどめることができます。
また、電源付きのコンテナに入れることで、冷蔵や冷凍の温度帯でも運ぶことが可能です。
このコンテナに入れて運ぶという発想は非常に画期的で、貿易の生産性を著しく向上させました。
コンテナ輸送が発展する以前、貨物の輸送は袋、木箱、バレルなど非標準の容器で行われていました。この方法では、貨物の積み込みと荷降ろしに多くの時間と人手が必要で、盗難や損傷のリスクも高かったのです。
コンテナは、1956年、アメリカの起業家マルコム・マクリーンがその基礎を築きました。
1960年代に国際標準化機構(ISO)がコンテナの規格を制定し、
20フィートコンテナ(TEU)と40フィートコンテナ(FEU)の2種類が主流になっています。
大規模なハブ港に貨物を集めてそこから小規模港へ再配送するハブアンドスポークモデルの貿易形態ができたり、積載量が2万TEUを超える超大型コンテナ船が登場するなど、コンテナという輸送形態が港や船を変えてしまうほどの影響を持っています。
