貿易は国をまたぐ取引なので、非常に複雑なビジネスになります。それゆえ、貿易がもつリスクをちゃんと把握したうえで取引を行う必要があります。
また、自社で貿易をしていなくても、原料や調達品が海外のものであれば、それは誰かがリスクを負って輸入したものを扱っていることになりますので、グローバル化が進んでいる昨今では貿易に関するリスクは必須知識になっていると言えます。
貿易のリスクは、大別すると次の3種類です。
1)モノに関するリスク
2)お金に関するリスク
3)納期に関するリスク
それぞれ内容を整理すると、下記のようになります。
1)モノに関するリスク
①輸入基準の未達や書類不備で通関が切れずにモノが届かない
②想定していた品質・イメージと違うモノが届いてしまった
2)お金に関するリスク
①想定以上のコストがかかってしまった。(検査費用やデマレージ、為替変動など)
②契約通り支払われないリスク
③品質不良の赤伝対応がされない(契約の不備含む)
3)納期に関するリスク
①輸入可否の確認に時間がかかった
②輸出手続きや船の予約などの調整に時間がかかった
③船のスケジュールが遅れたり、台風などの影響で遅れた
④輸入通関にサンプル検査や書類不備訂正、追加書類提出などの対応時間がかかった
こういったリスクがありますので、時間的な余裕をもって貿易の準備をし、信頼できる専門家にチェックを依頼することで対処していく必要があります。
また、決して他人任せにしたりせず、自分自身でも都度勉強しながら取り組むことが重要です。
貿易リスクをコントロールするためには、まず最適な貿易のスキームを選択する必要がありますが、それには取り引きの主体である売り手/買い手がどういうことを望むのか、そのためにはどういう貿易形態をとるべきかを選び取ることが一番です。
