QCDとはQ:クオリティ(品質)、C:コスト(原価)、D:デッドライン(納期)の頭文字をとった略語です。
QCDは生産管理上でよく使われる言葉ですが、サプライチェーンマネジメントにおいても同様に重要な概念になります。
というのは、QCDをすべてを同じように高めることは非常に難しいからです。
品質を高めようとしたら、コストがかかってしまうか、納期が長くなってしまいます。
こういった、どれかを達成しようとするとどれかが犠牲になってしまうことを「トレードオフ」といいますが、QCDはまさにトレードオフの関係にあるのが一般です。
ですので、QCDをバランスよく維持管理することが重要です。あるときにコストのことばかりを追求していたら、品質や納期が犠牲になって顧客が離れていってしまうかもしれません。
このQCDのバランスを考えるべきなのは製造においてだけでなく、サプライチェーン全体でも必要なことです。
納期を短くすることやジャストインタイムということも重要ですが、それで品質やコストが想定以上に悪化しないかは常に確認しておく必要があります。
QCDには拡張版の考えがあって、PQCDSMEというものがあります。
P:プロダクティビティ(生産性)
S:セーフティ(安全性)
M:モラール(モラル)
E:エンバイロンメント(環境)
生産性は生産効率のこと、安全性は人の労働災害などをすくなくすること、モラルは人の心の健康やモチベーションの状態、環境への配慮など、よりよい生産のための土台になるようなことも含んでいます。
