生産形態とは、製品や中間品の在庫を持つのか、持たないようにするのかの生産方法の種類のことです。生産形態には、次のような種類があります。
①見込み生産(MTS: Make to Stock)
- 特徴: 需要予測をもとに製品を生産し、在庫を持つ。
- 例: シャンプー、衣類、缶コーヒー、自動車、新刊書籍。
② 受注組立生産(ATO: Assemble to Order)
- 特徴: 共通部品をあらかじめ生産・在庫し、注文が入ると組み立て。
- 例: カスタムPC、家電製品の一部。
③ 受注仕様組立生産(CTO: Configure to Order)
- 特徴: 顧客の要求に応じて仕様を決定し、組み立てる。
- 例: カスタムパソコン(デルのダイレクトモデルなど)。
④ 受注加工生産(BTO: Build to Order)
- 特徴: 原材料を在庫し、注文後に部品製造から開始。
- 例: 特注製品、自動車の一部モデル。
⑤ 繰り返し受注生産(MTO: Make to Order)
- 特徴: 原材料の調達から始めるため、リードタイムが長い。
- 例: 大型機械、専用設備。
⑥ 個別受注生産(ETO: Engineering to Order)
- 特徴: 注文後に設計を開始し、製造を行う。
- 例: 建設業、大型インフラ機器、特殊設備。
仕掛品や製品の在庫を持つことは売れ残りのリスクも高まり、保管のコストがかかることになります。一方で、在庫を持つことで納期が短縮できたり、大量生産での生産コストは下げることができます。よって、どういう生産形態をとるのかは、品質・コスト・納期のQCDバランスをどこでとるのかの意思決定そのものになります。
とうぜん生産形態によって工場のレイアウト・設備・シフトにも影響しますし、原料・製品の物流も変わってきます。
サプライチェーンマネジメントにおいて、生産形態を定めることはキーファクターとなるのです。
