制約理論(TOC:Theory of Constraints)とは、サプライチェーンはボトルネックのキャパシティで全体の生産能力が決まるという理論です。
この理論は1984年にエリヤフ・ゴールドラットによって提唱され、主に生産管理やプロジェクト管理の分野で応用されています。『ザ・ゴール』(The Goal)という小説形式の本で描かれ、ベストセラーになっています。
サプライチェーンマネジメントにおいて制約理論は非常に重要で、製造⇒物流⇒販売というような供給の連鎖において、最終の販売量はこれらのボトルネックの工程によって定まってしまうということを示唆しています。
ボトルネック工程以外の工程の処理能力を上げても、ボトルネック工程の前に在庫が積みあがるか、手持ち時間が増えてしまうだけで、効果がないということを提唱しています。
つまり、サプライチェーンマネジメントを強化しようとするならば、一番弱い部分に着目する必要があるということです。
TOCによる生産力向上の5つのステップは次の通りです。
1.ボトルネックを特定する
2.ボトルネックを徹底的に活用する 例:ボトルネック工程の前には在庫を置き、手すきが出ないようにする
3.ボトルネックに合わせて、その他の工程のすべての生産量・スピードを決める
4.ボトルネックの生産能力を向上させる
5.ここまでくると、別の工程にボトルネックが移るので、1に戻る
TOCは生産やSCMのみではなく、プロジェクトマネジメントにも使える汎用的な概念になります。
