リバースロジスティクス

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リバースロジスティクス(Reverse Logistics)とは、通常の物流が生産者から消費者に向かって流れるのに対して、逆方向に流れる物流のことです。主に「製品の回収」「リサイクル」「再利用」「適切な廃棄」のためにモノを回収します。血液を体に送り込む動脈物流に対し、リバースロジスティクスは体の不要物を集めてくる静脈物流と表現できます。

リバースロジスティクスは、その起源は意外と古く、物流の歴史とともに発展してきました。
産業革命の時代、資源の乏しい地域では、製品の修理や再利用が一般的だったため、例えば、ガラス瓶や木箱は回収・再利用され、製造コストを抑えるための仕組みが存在しました。
戦後の経済成長とともに、大量生産・大量消費の時代に突入し、製品は使い捨てが主流となり、回収や再利用の仕組みは一時的に衰退しましたが、その後環境問題が深刻化し廃棄物削減のための政策が進行しました。

日本のリサイクル政策として、「1991年: 資源有効利用促進法」「1995年: 容器包装リサイクル法(ペットボトル・缶・瓶の回収が義務化)」「1998年: 家電リサイクル法 (テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンのリサイクル義務化)」などが制定されました。

今、EUを中心に「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の考え方が主流となり、リバースロジスティクスがサプライチェーンの標準的な要素になりつつあります。
また、企業は、製品を回収し、修理・リサイクルする「クローズドループサプライチェーン(Closed-loop Supply Chain)」を構築することで、資源の有効利用を促進しています。
ユニクロの店舗での不要になった衣類の回収を行いリサイクルやリユースする取り組みや、マクドナルドがおもちゃの回収を行っていることが有名な事例です。

これからも世界人口が増える中では資源を有効利用する必要があり、リバースロジスティクスは今後も重要性を高めていくでしょう。

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