最適拠点配置

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最適拠点配置とは、企業の工場や物流拠点をどこに置くのが最も適切かを検討し、実行することを指します。これは コスト・品質・リードタイム に大きな影響を与える、極めて重要な経営戦略上の意思決定です。

原料の近くに生産拠点を置く場合

生産拠点を原料の近くに配置することで、調達コストを抑え、鮮度や品質を維持できます。例えば、乳製品 の場合、生乳の鮮度が重要で長距離輸送には適さないため、産地に近い場所に乳製品加工工場が設置されます。北海道に乳製品工場が多いのはそのためです。

また、製鉄業 も鉄鉱石を大量に消費するため、採掘地の近くや輸送しやすい港湾エリアに製鉄所が立地します。このように、重量物や鮮度が求められる原料を扱う業界では、生産拠点を原料産地の近くに置くことが合理的です。

販売地の近くに生産拠点を置く場合

生産後の 鮮度維持が求められる食品 や 賞味期限の短い商品 は、販売拠点の近くに生産拠点を配置するのが一般的です。例えば、コンビニの米飯工場 は全国各地に分散しており、店舗に1日複数回の配送を行っています。これにより、新鮮な商品を迅速に供給できます。

物流拠点の最適配置

物流拠点も販売地に近い方が、配送コストの削減につながるケースがあります。ただし、その分物流拠点の数を増やす必要があり、工場からの転送コストや在庫の分散によるコスト増加とのバランスを考慮することが重要です。店舗への配送コスト削減が、それらのコストを上回るように設計する必要があります。

例えば、アマゾンの物流戦略 では、各都市の近くに フルフィルメントセンター(FC) を設置し、迅速な配送を実現しています。翌日配送や当日配送などのサービスを強化することで、顧客の利便性を向上させ、競争力を高めています。

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